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2006年9月22日 (金曜日)

墓守と事業守

日本の企業270万社のうち99%にあたる266万8000社が資本金1億円以下の中小企業だ。また、日本の企業従事者数は約4000万人だが、そのうちの70%、2800万人がそこで働いている。経営者は270万人いるということだ。そのうちオーナー経営者がどれくらいいるかは数字としてはわからない。

現代の日本は家督相続制度がなくなり、相続を行うとガッポリと税金を持っていかれる仕組みになっている。三代続けば資産はゼロ。これが税制である。事業経営者の夢やロマンもヘッタクリもない。田園調布を作った渋澤栄一翁邸も今は昔のものになってしまった。某代議士の軽井沢の別荘もこのまま行くとなくなってしまうと本人は嘆いていた。田中角栄先生の目白の家も大方が公園となる。

事業経営者の一番の気持ちは現事業の発展継続と後継継承である。でも、この相続税制度がある限り資産として残してもいずれなくなる。では事業として継承すればいいかといえば、2代目、3代目に移り創業精神が薄くなると根源意識が変わり、継承すらむずかしくなる。ウチの家は私で5代目だが3代目で事業、寝所共、潰している。

いま、オーナー事業経営者が考えるべきは、家としての墓守は誰で、事業としての継承者は誰かということを決めなくてはならない。

墓守として家を任せる人間と、事業としての会社を任せる人間は自ずと必要な能力が違う。墓守は子孫、血族であってほしいが、事業継承は器と能力で見定めないと自分が引退したあと、もう一度登板しなくてはならない羽目に陥る。この人選がオーナーの五十代から六十代の仕事である。五十代から六十代で現役バリバリは危ないのだ。

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